砂丘の形状示す連立方程式発見

広島大、砂丘の形状示す連立方程式発見。


 広島大学の西森拓教授と粟津暁紀助教、大学院生の新屋啓文さんは、砂丘が三日月や星、半球など様々な形になる現象が単純な数式で表せることを発見した。雪崩や魚の群れの動きなど一見複雑に見える現象の解明にもつながる成果という。

 砂丘の様々な形状をひもと点に置き換えて解析したところ、動き方のルールが2つの式からなる連立常微分方程式で成り立つことが分かった。この連立方程式は理工系の大学1年生でも理解できるほど簡潔という。水槽に砂を入れ、水で満たして実験。水底の“砂丘”に、風に見立てた水流を当てたところ、方程式通りに形状が変わっていった。

 今回の方程式は、交通渋滞などが起きる法則も表している可能性がある。砂丘に似た地形が火星の表面に観測されており、遠く離れた惑星の環境を推定するのにも役立つと期待している。










2010/06/28, 日本経済新聞 朝刊, 11ページ